紫雀の麻小笥(ムラサキスズメノオゴケ)2


紫雀の麻小笥(ムラサキスズメノオゴケ)はガガイモ科カモメヅル属の多年草である。
「麻小笥」というのは麻糸を積みためる鉢桶のことである。
名の由来は、果実の形を譬えたものだという。
「雀の麻小笥」というのは伊予蔓(イヨカズラ:Cynanchum japonicum)の別名である。
「伊予蔓」は発見地の名がつけられたものだが、本州、四国、九州、小笠原に分布する。
また、蔓性のものとそうではないものが混生するという。
そのためかどうかは不明だが、「雀の麻小笥」の名を提唱したのは牧野富太郎博士だそうである。
本種はその栽培品種である。
草丈は30~60センチくらいである。
茎は直立する。
葉は倒卵形で、向かい合って生える(対生)。
葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は5~6月である。
葉の脇に散形花序(枝先に1つずつ花がつく)を出し、花径5~10ミリくらいの暗い紫色の花をつける。
花冠は5つに裂けて平らに開く。
花の真ん中には副冠とずい柱(雄しべ・雌しべの集まったもの)がある。
萼片は緑色で5枚である。
実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。
写真は6月に小石川植物園で撮った。
学名:Cynanchum x purpurascens(=Vincetoxicum x purpurascens)


★謎多き花の由来を紐解いて
 仄かな明かり差し込む心地



紫雀の麻小笥(ムラサキスズメノオゴケ)


花図鑑