鼠黐(ネズミモチ)2


鼠黐(ネズミモチ)はモクセイ科イボタノキ属の常緑低木である。
本州の中部地方から沖縄にかけて分布し、低地や丘陵地の林の中などに生える。
また、庭木や生垣とされる。
海外では、朝鮮半島、台湾、中国にも分布する。
和名の由来は、葉が黐の木(モチノキ)に似ており、実を「鼠の糞」に見立てたものである。
樹高は2~5メートルくらいである。
葉は楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉の質は厚く、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は6~7月である。
枝先に円錐花序(枝分かれして全体が円錐状に見える)を出し、白い小さな花をたくさんつける。
花冠は長さ5ミリくらいの筒状で、先は4つに裂ける。
雄しべは2本である。
実は楕円形で、11月ころに黒紫色に熟する。
写真は5月に埼玉県花と緑の振興センターで撮った。
学名:Ligustrum japonicum


★名の由来聞けば吹き出す鼠黐
 実のなるころにまた来てみよう



鼠黐(ネズミモチ)


花図鑑

這金鳳花(ハイキンポウゲ)2


這金鳳花(ハイキンポウゲ)はキンポウゲ科キンポウゲ属の多年草である。
北海道から本州の関東地方にかけて分布し、林の中や湿った草地に生える。
海外では、北半球の冷温帯から冷帯にかけて広く分布する。
草丈は20~50センチくらいである。
葉や若い茎に毛が少し生えている。
長い匍匐枝を出し、地面を這って広がる。
根際から生える葉は3出複葉(1枚の葉が3つの小さな葉に分かれた形)である。
小葉は2つから3つに深く裂ける。
茎につく葉も3出複葉である。
開花時期は5~7月である。
花径2センチくらいの鮮やかな黄色の5弁花をつける。
花びらは倒卵形で横に開き、艶がある。
写真は5月に小石川植物園で撮った。
学名:Ranunculus repens


★敷き詰めた花の絨毯黄金色
 歓声のなか這金鳳花


這金鳳花(ハイキンポウゲ)


花図鑑

イリキウム・フロリダヌム2


イリキウム・フロリダヌムはシキミ科シキミ属の常緑低木である。
かつてはモクレン科に分類されていた。
原産地は北アメリカの南東部である。
英名はフロリダアニス(Florida anise)である。
樹高は1~3メートルくらいである。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
葉はハーブの香りがする。
開花時期は5~6月である。
葉の脇に花径5センチくらいのマロン色をした花をつける。
花被片は20~30枚である。
写真は5月東京都薬用植物園で撮った。
学名:Illicium floridanum


★落ち着いた花色を見て安堵する
 毒はあれども芳香漂い



イリキウム・フロリダヌム


花図鑑

常緑山法師(ジョウリョクヤマボウシ)2


常緑山法師(ジョウリョクヤマボウシ)はミズキ科ミズキ属の常緑高木である。
原産地は中国の南部である。
日本でも同じ学名のものが石垣島、西表島に分布し、八重山山法師(ヤエヤマヤマボウシ)と呼ばれる。
環境省のレッドデータブックでは、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
ただし、こちらは大陸のものと形態が異なり、別種とする説もある。
高木であるが、渡来したものは育っても5メートルくらいである。
幹は直立ないし斜上する。
葉は楕円形で、枝先に向かい合って生える(対生)。
開花時期は6~7月である。
枝先に散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、黄白色の花をつける。
花弁のように見えるのは総苞片で4枚ある。
真ん中につく花序は直径1センチくらいで、緑黄色の小さな花を密集する。
実は球形の集合果となり、黄色く熟する。
写真は6月に埼玉県花と緑の振興センターで撮った。
学名:Cornus hongkongensis


★一目見てこれはなるほど山法師
 紛らわしいが異なる素性



常緑山法師(ジョウリョクヤマボウシ)


花図鑑

受咲き大山蓮華(ウケザキオオヤマレンゲ)2


受咲き大山蓮華(ウケザキオオヤマレンゲ)はモクレン科モクレン属の落葉小高木である。
公園や庭などに植えられている。
大山蓮華(オオヤマレンゲ)と朴の木(ホオノキ)の自然交雑種と考えられている。
樹高は5~8メートルくらいである。
幹は直立をする。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
開花時期は5~6月である。
淡い黄白色の大きな花を上向きにつける。
花径は12~15センチくらいある。
花被片は9枚である。
淡い紅色の雄しべを上に突き出す。
花には強い芳香がある。
写真は5月に埼玉県花と緑の振興センターで撮った。
学名:Magnolia X watsonii


★天仰ぎ大輪の花香り立つ
 皐月の空は霞みもとれて



受咲き大山蓮華(ウケザキオオヤマレンゲ)


花図鑑